増沢諒【政治は面白い!】

選挙ドットコム編集長/食べ物付き雑誌「食べる政治」代表。政治のわくわく感を伝えられたら嬉しいです。

サモアに快勝したラグビー代表を政治から見る

 

ラグビー日本代表、快勝おめでとうございます!
僕はラグビーはぜんぜん詳しくないのですが、政治の観点から見ると、日本代表の快進撃、とっても感動的で、興味深いんです。

 

第1戦で勝利を収めた南アフリカは、実は20年前までは日本と同じくらいの弱小チームだったのですが、そこから「政治」の力で世界最強クラスにまで上り詰めました。
それは、南アフリカ初の黒人大統領、ネルソン・マンデラによるものです。


南アフリカは元々、オランダによる植民地支配が続いており、黒人差別の「アパルトヘイト」という政策を行なっている国でした。


このような状況下で、後の大統領となる若き日のネルソン・マンデラは、黒人差別解消運動の中心的リーダーでしたが、反政府活動と見なされ、逮捕されてしまいます。
しかし、それでも黒人差別解消運動は盛り上がり続け、国内では白人VS黒人の争いが過激化してきます。
このままでは南アフリカの紛争は収まらない、国をまとめなければならない。

 

ネルソン・マンデラは27年もの獄中生活を過ごした後、「白人と黒人の関係を修復すること」を期待され、大統領に就任します。
(これだけでも、すごいことですよね。逮捕されて、30年弱も投獄されていた人が大統領になるなんて!信じられない!)

しかしながら、国内では白人と黒人の争いが過激化し続けました。
黒人は、白人へ復讐をしたい…そして白人は黒人からの復讐に抵抗したい…

そんな中、マンデラは、白人と黒人の関係を修復しようと、スポーツの力を信じたのです。


当時の南アフリカでは、ラグビー白人には圧倒的に人気のあるスポーツで、黒人からは嫌われていました。代表チームにも黒人は1人しかいませんでした。
マンデラは、黒人の居住地区を回っては、「ラグビーを応援して欲しい」と熱心に語り続けます。

 

白人が中心のラグビー代表チームも、当初はマンデラに協力的ではありませんでした。
マンデラは、代表チームの心をつかむために、忙しい公務を縫って、代表チームの練習にも顔を出し続けました。選手全員の顔と名前、そして直近の試合での活躍を覚え、一人ひとりと話します。

 

代表チームのキャプテンも、マンデラに協力し、「合宿に行こう!」と嘘をついて、マンデラが投獄されていた「牢屋」にチームメイトを連れて行きました。
「大統領がこんな悲惨な監獄にいたなんて…」と徐々に代表チームも、マンデラに協力的になっていきました。


白人によって虐げられ、投獄までされていたマンデラが、それでも白人に復讐することなく、融和を訴える姿に心を奪われ、代表チームは、ユニフォームにマンデラが投獄されていた当時の囚人番号「46664」を縫い付けます。

さらに、象徴的なのが、試合前の国歌斉唱。


マンデラが大統領になった後、国民の融和を目指し、歌詞は、英語と南アフリカ現地の言葉を合わせたものに制定されました。

当初、代表チームの白人たちは「黒人の言葉なんて分かんねえよ!」と、試合前の国歌斉唱を拒みます。

しかしながら、マンデラの努力、チームキャプテンの努力によって、1995年のワールドカップの際には、代表チーム全員、そして、スタジオに駆けつけた黒人・白人全員が、南アフリカの国歌を声高らかに歌いました。

 

そして、1995年6月24日。
南アフリカはついに優勝を勝ち取ります。
国民、全員による勝利でした。
そして、この後の、マンデラと、チームキャプテンの会話がまた泣けるんです…

マンデラ:「ありがとうキャプテン。君がこの国のためにしてくれたことに心からお礼を言います」
キャプテン:「いいえ大統領、あなたがこの国のためにしてくれたことに心から感謝します」

 

 

 

いま、日本では、ラグビー代表に海外出身の方が多く、代表になれる「要件」について議論が起きています。

www.asahi.com

 

 

ただ、そんなこと、南アフリカ代表チームが成し遂げたことに比べると、100分の1も、大したことじゃないと思います。
今後も日本チームの快進撃と、海外出身の方を受け入れる文化が日本に熟成されていくことを祈っています。

 

 

 

 

 

 

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増沢諒:食べる政治代表

1988年長野市出身。政治家志望の27歳。

早稲田大学卒業後、ITベンチャーでの勤務を経て、現在、東工大大学院修士課程。研究テーマは「ネットと政治」。ネット選挙解禁を目指す活動「One Voice Campaign」をはじめとし、様々な啓蒙活動を展開。2014年マニフェスト大賞受賞。
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