増沢諒【政治は面白い!】

選挙ドットコム編集長/食べ物付き雑誌「食べる政治」代表。政治のわくわく感を伝えられたら嬉しいです。

20年ぶりに、ゆっくり歩く”牛歩作戦”が見れるチャンス

安保法案の採択をめぐって、与野党の対立、そして、国会周辺のデモも勢いを増しています。

委員会では乱闘が行なったり、委員長を部屋から移動させないように「人間バリケード」を作ったり、とすごい賑やかというとか盛り上がりを見せています。
採択をさせないように、野党はいろいろな作戦をしていますが、その中の1つである「牛歩」は有名なのではないでしょうか。

「投票箱に、投票用紙を入れに行く際、ものすっごくゆっくり歩くことで、時間を稼ぐ」という作戦なのですが、その作戦のシンプルさと、十数メートルの移動に最長【13時間8分】もかけた議員がいるということで、中学校の政経の教科書で読んで以来、ずっと気になっていたものです。

13時間ですよ!十数メートルの移動に!

しかも、完全に立ち止まると、「投票の意思がない」と見なされてしまい、「棄権」になってしまうので、歩き続けないといけないんです。ゆっくりと。

そもそも、なぜ、ゆっくり歩いて時間を稼ぐことに意味があるかというと、これも実に、「穴」というか、面白いんです。

 

(1)議会は一度出ると、再入場できない→議会が長時間になり、賛成議員がトイレに行けば賛成票が減る
(2)深夜12時を回ると、投票自体が向こうになる
(3)決められた国会の会期を超えると、廃案になる

 

という決まりが、衆議院にはないのですが、参議院にはあるため、牛歩が可能です。
しかし、「トイレ問題」は「紙おむつ」の発明以降、激的に効果が減ったという説も…

だったら、牛歩ができないように、「電子式の押ボタン」にすれば良いと思う人も多いと思います。


これも面白くて、古くはトーマス・エジソンがアメリカの議会に「電子式押ボタン」を売り込んだのですが、牛歩ができなくなるからと野党に反対され、導入が見送られ、21世紀の現在までアナログなままです。

 

そして、この牛歩、1992年からはほぼ見られなくなっていました。
新聞やラジオが中心の時代は多く見られたのですが、テレビが普及すると、「ゆっくり歩く」のは見た目が悪く、反対議員への世論のバッシングもすごく…
それが、安保関連法案では見られるかもしれないチャンスです。

1992年以来、約20年ぶりです。

 

 


政治は、基本的には効率重視で合理的な選択肢を取りつつも、やっぱり最後は感情や人情が重要になってくるものだと思います。


牛歩は一見、面白がられることも多いですが、そのアナログさに含まれた「人間味」が感じられるようで、僕はとっても好きなんです。
本会議に傍聴に行こうかな…

 

 

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増沢諒(ますざわ・りょう)

食べ物付き雑誌、「食べる政治」代表。

1988年生、長野市出身の26歳。早稲田大学卒業後、都内ITベンチャーでの勤務を経て、現在、東工大大学院修士課程。研究テーマは「ネットと政治」。2012年、ネット選挙解禁を目指す活動「One Voice Campaign」を企画。2013年、SNSで投票日を相互に呼びかけ合うWebサービス「FIRST STEP」を企画・開発し、同企画でマニフェスト大賞を受賞。2014年の東京都知事選挙では、家⼊かずま陣営のマニフェスト作成担当として、3万件のツイートから、120の政策を作成し、話題となった。

E-mail: masuzawa0509@gmail.com
Twitter: https://twitter.com/mojamoja_megane